今年も遅れていた桜の花がほぼ満開となりました。
会社の近くの「さくら通り」でも桜が咲き誇っております。
私は「桜」といえば思い出すことが二つあります。
もう一つは日本映画の「櫻の園」です。
この映画は女子高演劇部を舞台に、チェーホフの”桜の園”の開演直前の2時間に凝縮して人間模様を描いた、思春期の少女たちの揺れる心の内面を瑞々しく映像化した珠玉の一篇です。吉田秋生の原作漫画を基に、1990年に中原俊監督で実写映画化されたものです。
その中でこんな意味のセリフがあったと思います。
「桜の花は毎年同じように咲き、桜の園は毎年同じ演目だけれど、それを演じる人は毎年変わる。だから桜の園は毎年一度しかない違う舞台なんだ。」
毎年花は咲き、花は散る。出会いがあり別れがある。しかしそれを繰り返しながら、私たちは昨日より1ミリでも前に進もうとしている。同じところをぐるぐると何度もまわるように見えながら、実は螺旋状に上に向かって上昇していく。そんな毎日を送っているのだと思います。
だから桜はなんだか切なく、それでいて前に向いて生きる「希望」を感じさせてくれるのだと思います。今年も新年度が始まりました。私たちも私たちなりの花を咲かせるべく、今年も精いっぱい頑張ります。