先日、徳島のナット・ファインパーツ製造業「西精工株式会社」さまに訪問をさせていただきました。
当日は折からの台風の影響で、前が見えなくなるほどの豪雨でした。大阪から明石海峡大橋・大鳴門橋を通って、徳島に着くまでが一苦労でした。しかし、その苦労も吹っ飛ぶほどのいい会社訪問になりました。
事前にホームページを拝見して、西精工様と私たち(高石工業)には似ている点がある、と思っていました。国内のものづくりで生き残ろうとしている、「いい会社」を作ろうとしている、経営者が3代目、社歴が60年を越えている、などです。また「社員ブログ」が毎日更新されていて、大変に活気があると感じていました。
しかし実際に訪問して、取組みの密度とその成果にはびっくりしました。毎年社員満足度調査をしているそうなのですが、仕事の満足度が98%、「月曜日に会社に来たくなる」90%というのは信じられない数字でした。さらに工場見学をして、若い人の多いイキイキした事務所・工場を見て、社内満足度の数字通りの職場と実感しました。
まず最初に西社長のお話を伺いました。熱意のこもったお話は当初の予定を大きくオーバーするほどのものでした。仕事はただの仕事ではなく、社員の生き方や人生そのものであり、社員の幸せのために社員の皆さんの仕事のしやすさややりがいがどれだけ重要で、そのためにどれだけの時間をかけて心を砕き、取り組んでおられるかがよくわかりました。本当に「企業は人なり」を地で行っておられると感じました。
また実際の取り組みとして個人のビジョン・ミッションづくり、徹底した5S活動、笑顔の絶えない朝礼、「私の一週間」、ありがとうカード、などたくさんの取り組みを伺い、それぞれが今の会社を作り出している源であることが納得できるものばかりでした。
それにもまして実感し衝撃を受けたのが、工場見学での社員の皆さんの「あいさつ」でした。みなさん立ち上がって、立ち止まってこちらの目を見て、大きな声で相手に届くように大きな声であいさつをされています。守衛のおじさんや事務所の皆さん、現場の作業員や検査のおばさんまでが実に自然に、笑顔で挨拶をしてくださいました。大げさではなく、頭を殴られたようなショックを受けて帰りました。
あまりの衝撃に、会社に帰った次の日に大阪工場の社員を集めて西精工さんの話をしました。そして皆さんにお願いをしました。今まで私たちも「挨拶をしましょう」と言ってきましたが、実際にしなければいけないのは西精工さんのレベルです。皆さん、私も含めてまたイチから認識を新たに大声・笑顔で挨拶をしましょう、と。
今回訪問させていただいて、「風土はごまかせない」という言葉を思い出しました。職場に自然に滲み出す「風土」とは、このような長い年月に醸し出される雰囲気を言うのだなと感じ入りました。私も「いい会社」づくりに取り組んでおりますが、まだまだ中途半端で、西社長のようにさらに5年も10年かけて、このような会社にして目指していくのだなと感じました。
私たちも「月曜日の朝にわくわくして仕事に来たくなる」職場であり、会社をめざしていきたいと思います。