合成ゴムって歴史が意外と浅いのです。 20世紀に入ってからの話です。
工業的に使えるものの開発は1930年前後といわれています。
ドイツは 1934年にブナNの開発に成功しています。
一方アメリカは1940年に合成ゴムの開発をしています。
これは時期的に植民地政策や戦争と関わっているようなんです。
当時はゴムと言えば天然ゴムでした。天然ゴムはゴムの木(へベア)から採れ、南米ブラジル原産です(諸説あり)。
20世紀初頭には、マレーシアやシンガポールにたくさんのゴム農園(プランテーション)が広がっていました。今でも、タイ・マレーシア・インドネシアが天然ゴムの生産上位国です。これは、イギリスがアマゾンからゴムの木の種を持ち帰って植民地であった東南アジアに移植を進めたからなんです。
逆に東南アジアに生産拠点を持たないドイツやアメリカは、化学的に作れる合成ゴムの研究を進めていたのです。
その後きな臭い時代に入りますが、ゴムは重要な戦略物資だったそうです。確かに車も飛行機もゴムがないと動きません。第二次大戦が始まると、日本が東南アジアに勢力を伸ばし、まずマレーシアやシンガポール(のゴム園)を占領してしまいました。
それでは天然ゴムが手に入らないと困ったアメリカは、国家を挙げて合成ゴムの開発生産に力を入れたというのです。
ほんとかな~というお話ですが、ゴム知識の研修時代に聞いた話です。
歴史の裏にはそんなこともあるんですね。