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高石工業株式会社 伸縮自在ブログ 水素暴露試験用ゴム試験片の作成 水素暴露試験用ゴム試験片の作成  №3 試験片製作
2009年5月11日

水素暴露試験用ゴム試験片の作成  №3 試験片製作

営業部 齋藤

お客様 : 九州大学水素利用技術研究センター 様
キーワード : 配合 混練り 分出し 裁断 成形 仕上げ 検査 梱包 納品 ブリスタ破壊

営業部の斉藤です。

前回まで、問合せと見積依頼のお話をしました。
今回は試験片製作のお話をします。

 

正式注文がきた

御見積書を提出して3週間後、正式注文が来ました。
私たちとしましても注文書をいただかないと動けないので、心の準備はしといて今か今かと待っていました。
私は営業なので、注文書を受け取ると「仕事をもらった!」と実感し、嬉しくなります。
今回は試験片のボリュームとしては多いので、喜びはひとしおでした。

製作依頼を出す

わが社の場合、受注後の製作依頼は営業部の仕事です。
製造部には成形の依頼、技術部には材料の依頼を出します。
通常量産品の場合、製品の形状・材料は最初に登録するので、2回目からはお客様からご注文をいただくと決められた工程をふんで納品されます。
それが試作品になると、一つ一つ指示を出さないといけません。

 

技術部に材料の依頼

今回の場合まず材料の手配を技術部に依頼しました。
材料の配合は西村先生からの指定なので、配合表をそのまま技術部に送りました。
全部で4種類なのでそれぞれに番号を振り、区別をしました。

 

製造部に成形の依頼

試験片は4種類なので、それぞれに成形依頼を出しました。
① 平角150㎜×150㎜×2㎜
自社の金型があるのでそのまま製作依頼を出しました。
② ダンベル1号
2㎜のシートから抜くので①と同じ依頼+ダンベル1号で抜く依頼を出しました。
③ 短冊2㎜×1㎜×60
1㎜のシートからカットするので平角150㎜×150㎜×1㎜の製作依頼
+2㎜×60㎜の加工依頼(こちらは外部に委託)を出しました。
④ φ29×t12.6
厚さ20㎜くらいの方形もしくは円形ということでしたので、圧縮永久歪試験に使用するブロック(φ29×t12.6)を流用する取り決めになっていました。
これも金型があるのでそのまま製作依頼を出しました。

(左下図はダンベルを抜いている様子。右下図は短冊です。) dannberu.JPG

 

 いざ成形工程へ 



koutei 2.JPG


一安心

納品が終わると一安心します。
今回は初めてのことでもあるので納期は長い目にもらっていました。
ですので余裕をもって納品することができました。

 

勝手が違う

とはいうものの、試験片を納めるということは通常の量産品の工程こそ同じでも内容は全く違うものでした。
特に勝手が違ったのは検査工程でした。
今回の成形品の形状はすべて技術部が物性試験に使用するものばかりでした。
日頃は技術部で成形し物性試験をするので、製造部には流れてこない形状です。
つまり、製造部の工程でそのような形状が流れてくることが初めてだったわけです。
しかも部品としてではなく試験をするためのテストピースなので、完成品のタイプが全く変わってきます。

 

サンプル送って確認してもらいました

引張試験に用いるダンベルや、短冊についてはシートからの加工であり、JIS規格もあるので、問題はありませんでした。
ところが平角や円柱ブロックについてはどのように使うか把握していませんでした。
配合によっては伸びが悪く、どうしても端が欠けたりしました。
そこでサンプルを送って「こんな感じになるんですけど…」とおそるおそる確認を取ったりしていました。
聞いてみると、試験片への加工前の段階の素材としての成形品で、そのままシールするわけではので、ものによっては多少にカケは構わないし寸法公差もありません、ということでした。
通常量産品の基準で見てみると(形状はシールできるものではありませんが)とてもパスできるようなものではないので、初めのころは戸惑いましたし現場の検査班は心配そうな顔をしていました。
配合が特殊であることや、最終的な仕上げはお客様(九州大学)で実施すること、比較という観点から成形条件を揃える必要があること、などの理由で試験に影響のない程度で認めてもらいました。

 

その後試験結果は論文で発表されました。
西村先生はわざわざこちらに足を運んで来られて、解説もしていただきました。
そこではじめて「ブリスタ破壊」の試験片を目にしてびっくりすることになります。

そのあたりは次回に。

ではまた。

 

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