近年、水素エネルギーへの注目が高まる中で、水素ステーションや燃料電池車、水素製造設備などの開発が世界中で進んでいます。その中で重要な役割を果たしているのが「水素用Oリング」です。
【高圧水素用OリングQ&A①】
「Q. 水素用Oリングとは何ですか?」
「A. 水素ガス環境で使用されるシール用ゴム部品です。特に高圧水素環境では、漏れ防止だけでなく、急減圧による損傷への耐性も求められます。」
【解説】
Oリングは、機器や配管の接続部分に組み込まれ、気体や液体の漏れを防ぐために使用されるシール部品です。見た目は単純なリング状のゴム製品ですが、その性能が設備全体の安全性や信頼性を左右します。
特に水素用途では、一般的なガス用途とは異なる課題があります。
まず、水素はあらゆる気体の中でも非常に小さな分子であり、ゴム材料の内部へ浸透しやすい性質を持っています。そのため、材料によっては漏れが発生しやすくなったり、性能が低下したりする場合があります。
さらに、水素ステーションなどでは70MPa(約700気圧)という非常に高い圧力で水素を扱います。このような高圧環境では、ゴム内部に浸透した水素が急激な減圧時に膨張し、内部からゴムを破壊することがあります。この現象はRGD(Rapid Gas Decompression:急減圧損傷)と呼ばれ、高圧水素用シール材の重要な評価項目です。
また、水素ステーションでは充填時に温度が大きく低下するため、−40℃という低温環境でも十分なシール性能を維持しなければなりません。一方で、圧縮機などでは高温環境への対応も必要になります。
つまり、水素用Oリングには、
・高圧への耐性
・水素透過への対策
・急減圧への耐性
・低温性能
・高温性能
・長期耐久性
といった多くの性能が求められるのです。
【高石工業からの一言】
Oリングは設備全体から見ると小さな部品ですが、その性能が設備の安全性や信頼性を大きく左右します。
高石工業では、高圧水素用EPDMやFKMの材料開発から試作、量産、評価まで一貫して対応しています。国内外の水素ステーションや水素関連設備で培った経験を活かし、水素社会を支える「見えない安全」を提供しています。






