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2020年05月12日

水素暴露試験用ゴム試験片の作成 №1 問合せ (再掲)

私たちの会社では高圧水素用のOリングを開発しています。今では、多くの水素ステーションで採用され、使用用途が広まりつつあります。

 

2007年からその研究が始まっているのですが、その当時のいきさつを書いた記事が見つかりました。私たちが今見ても面白い内容になっていますので、(内容が古いところは若干アレンジしています)再掲します。

 

 

 

 

 

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営業部の斉藤です。

 

 

九州大学の水素利用技術研究センター(HYDROGENIUS)ではその名の通り、水素に関する研究をされています。

 

その中でも高分子材料部門の西村先生の研究室は「高圧水素機器に使用するシールやOリングに適したゴム材料はなにか」というところに焦点を当て、高圧水素がゴムに与える影響を研究されています。

 

私たちはその研究に使われるゴム試験片(テストピース)を作成し、納めています。

 

 

 

 

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私たちがどういう対応をしてご要望にお応えしてきたのか、これまでのいきさつをお話していきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

電話がかかってきた

 

 

CIMG1714.JPGのサムネール画像

(写真は2009年当時のもの)

 

 

 

ある昼下がり、いつものように事務所で仕事をしていると水素利用技術研究センター様からの問合せの電話がかかってきました。

内容は「カーボンを入れないゴムは作れないか?」というものでした。

 

 

初めてのお電話にもかかわらず、ずいぶん長く(30分くらい?)お話をさせていただいたと記憶しているのですが、ポイントは次のようなことでした。

 

① カーボンを入れた材料と入れない材料を作ってほしい

② ベースはNBRとEPDM

③ 必要なゴム試験片(テストピース)はシート数十枚

 

 

ゴムには基本的に補強材としてカーボンを入れますので、パッキンを作っている私たちとしては「カーボンを入れない」材料は作ったことがありませんでした(作ったところでパッキンの材料として使えないので、作る必要もないのです)。

 

 

まずは社内で技術部に相談と考え、いったん電話を切りました。

 

 

 

 

作れないことはない

 

 

社内で技術部に「カーボンを入れない材料」は果たして可能なのか尋ねたところ、「作れないことはない」という回答でした。

 

この「作れないことはない」というのは作ろうと思えば作れる、ということなのでここは一安心なのですが、次に続くのは「そんなもの作ってどうするのだろう?」という当然と言えば当然の疑問でした。

 

 

 

 

 

「ゴムの試作やります!」

 

 

 

 

top.JPGのサムネール画像

 

 

この問合せがあった時期は、思い返せば懐かしいのですがホームページはまだ社長の手作りで、「ゴムの試作やります!」なんてことをうたっていました。今でこそ弊社のホームページは大きくリニューアルされ、「ゴムの試作」や「ゴムの研究開発支援」に力を入れていることがわかりやすく示されてますが、当時は素人の手作りだったので、今とは比べるべくもない内容でした。

 

それでもホームページでの情報発信に力を入れ始めていたところなので、問合せはちょこちょこ来ていました。でもわが社としても初めての試みなので「売上にならない」「対応も慣れない」状態で、水面下でやっているような状況でした。

 

そこへ九州大学という「ビッグネーム」からの問合せなので、こりゃモノにせにゃいかん、と技術部からの疑問は半分聞き流しつつ再び連絡を取りました。

 

 

 

 

できます!やります!

 

 

「技術部に確認したところ対応できます」とひとまずは回答。前向きな姿勢をアピールしました。

 

今でこそ社名や規模で小躍りすることはなくなりましたが、「うちみたいな会社にそんなところから問合せがくるんやー」と考えただけでも緊張したものです。

 

聞けば、他のゴムメーカーではほとんど話を聞いてくれなかったようで、自社のコンパウンド以外の配合は対応できませんと言われ、結構困っていらっしゃったようです。

 

 

 

 

 

なんとかなりそう

 

 

 

 

IMG_8448.JPGのサムネール画像

 

わが社ではオープンロールというものを使ってゴムを練っています。オープンロールを使ってシート出しすることはもちろんですが、配合を自社でしているので混練りをしてゴム材料を作っています。

材料は定期的に物性試験をするので試験用のシートも作ります。つまり、ゴム試験片(テストピース)を作る工程自体は日ごろの仕事としてすでに社内にあったのです。

 

 

あとは配合の問題ですが、これも今までの経験からすると「なんとかなるだろう」というのが技術部の見解でした。

 

 

 

 

 

値段のつけようがない

 

 

ご要望の試験片を作ることができそうだとお伝えすると、だいたいのコストを聞かれました。しかし今まで量産品のパッキンを製造して納めていた私たちなので、日ごろの物性試験に使うゴム試験片(テストピース)に値段のつけようもありません。

 

それでもこれまでの経験から概算価格を出し提示したところ、どうやら適正だったようで詳しい内容はまた後ほどということで、ここでひとまず落ち着きました。

 

 

 

一週間後ゴム試験片(テストピース)の見積依頼がきてまたてんやわんやするのですが、それは次回に。

 

 

 

 

 

この依頼をきっかけに私たちはゴム材料の開発支援という仕事を始めます。

これはお客様の指定された配合で材料を練ります、というものです。100%配合指定される場合もありますし、この薬品を入れて欲しい(ベースは大体でいい)という限定的な依頼もあります。

さらには加硫条件を振る場合もあります。JIS規格に規定される試験片は当然作ることはできますが、お客様独自で試験をされていてゴム試験片(テストピース)が特殊形状の場合も承ります。

 

 

 

はじめのうちは何が何だか分からないことだらけでしたが、このお話をいただいてからゴム材料の開発支援ということがわが社の強みであるということに気付きました。

いろいろとご要望にお応えするうちに、次々と持ち込まれる「こんなゴム試験片(テストピース)がほしい」という相談をいつも楽しみにしています。今では「これほどおもしろい案件はない」と感じております。

 

 

 

 

(№2に続きます)

カテゴリー:水素とゴムの話
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