最近地震のニュースの合間に、AC(ADVERTISING COUNCIL JAPAN)のコマーシャルがよく流れます。
その中で心に響くものがあります。
「こころ」はだれにも見えないけれど
「こころづかい」は見える
「思い」は見えないけれど
「思いやり」はだれにでも見える
というナレーションのコマーシャルです。
気になったので、作者や全文を調べてみました。
宮澤章二さんの「行為の意味 青春前期のきみたちに」という詩集に収められているものでした。
宮澤章二(みやざわしょうじ)さんとは、
大正8年(1919年)6月11日、埼玉県羽生市生まれ。
昭和18年、東京大学文学部卒業。
高校教論を経て文筆業(詩と歌詞)に専念。
作詞関係では童謡・歌曲・合唱曲・校歌・市民歌等を多数手がける。
中でも校歌は小・中・高校など300校に及ぶ。
日本童謡賞、赤い鳥文学賞特別賞等を受賞。
日本現代詩人会会員、日本童謡協会常任理事、日本作詞家協会理事、
埼玉詩話会顧問等を歴任。
主な著作は「蓮華」「空存」「枯野」「風魂歌」等多数。
クリスマス・ソング「ジングルベル」の作詞者としても知られている。
平成17年3月11日逝去。
という方です。幼いころ口ずさんだ「ジングルベル」の作詞者なのですね。
詩の全文はこんなです。
あなたの「こころ」はどんな形ですか
と、ひとに聞かれても答えようがない
自分にも他人にも「こころ」は見えない
けれど、ほんとうに見えないのであろうか
確かに「こころ」はだれにも見えない
けれど「こころづかい」は見えるのだ
それは、人に対する積極的な行為だから
同じように胸の中の「思い」は見えない
けれど「思いやり」はだれにでも見える
それも人に対する積極的な行為なのだから
あたたかい心があたたかい行為になり
やさしい思いがやさしい行為になるとき
「心」も「思い」も初めて美しく生きる
それは、人が人として生きることだ
「心づかい」と「おもいやり」こそが日本人が忘れかけていて、しかしもっとも日本人らしい、日本人ならではのものなのではないでしょうか。この未曾有の災害のなか、あちこちで「心づかい」と「思いやり」を見ている気がします。
支援物資が一刻も早く被災者の皆さんに届きますように。寒い夜を少しでも暖かくすごせますように。早くもとの生活に戻れますように。