社長ブログ・ゴムのヒント社長ブログ・ゴムのヒント
2010年11月25日

エーワン精密訪問記(2)

先日エーワン精密さんを訪問したときの続きです。

エーワン精密さんはカム・コレットチャックの製造、切削工具の再研磨をされているメーカーで、約40年にわたり利益率35%以上あげておられる「驚異の中小企業」です。その秘訣は「超短納期」で、小ロット・特注品も含め、当日午後3時までに受けた注文は即日発送するという早さです。半年ほど前に「カンブリア宮殿」で取り上げられたのでご存知の方もいらっしゃると思います。「元気なモノ作り中小企業300社」にも選ばれています。

梅原さんからお話を伺い、また工場を見学して、梅原さんがスタッフ一人ひとりをいかに生かすか、一人ひとりが「自分の会社」という自覚をもつためにどれほど心を砕いているのかがよくわかりました。工場見学をしたとき、梅原さんは実際に社員一人一人に声をかけ、一人一人に合わせた話をしておられました。梅原さん自身がすばらしい技術を持った職人であり、社員の鏡となって現場を引っ張っていったからこそ、「自分たちが会社をよくしていこう」というよい社風がつくられたのだと思います。

実はお話を拝聴していて、自分の祖父に話を聞いている錯覚にとらわれました。祖父は弊社の創業者であり、私が社会人になる前に他界しているので仕事の話をしたことはないのですが、祖父の話を聞いている既視感にとらわれました。
「経営は5年先をみる」
「好況不況の波は必ず来る。好況の時には不況の準備をする」
「二代目は目線をヒラ社員より下に置く」
「上司は現場が言う前にイタイカユイに気がつくべし」
「物事はすべてウラから見よ」
祖父が生きていたらそんなことをきっと言ったかもしれないと思います。

梅原様からは今回、私たち見学者に対して「残せるものは伝えた。これからどう生かしていくかお前さんたちのお手並み拝見だよ」との大きな宿題をいただいたような気がします。
私は微力ながら日本に「ものづくり」を残し、今会社にいる人たちを物心両面で幸せにしたいと思っています。社員が安心して定年まで働ける、そして働きたくなる会社作りのために、私もさっそくできることを一つずつ実行していこうと強く思った訪問でした。

  • プロフィール

    高石工業株式会社 代表取締役 高石秀之

    高石工業株式会社 代表取締役
    高石秀之

    ゴム精密部品の量産事業をはじめとして、ゴム精密部品の試作・研究開発に取り組んでいる。

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