12/17・18に九州大学伊都キャンパスで行われた
「International Hydrogen Energy Development Forum & HIDROGENIOUS Symposium 2025」
に参加しました。
このフォーラム/シンポジウムは、世界の水素エネルギー研究・産業動向を俯瞰する国際フォーラムで、
・大学院生・若手研究者の発表機会創出
・産学官連携のネットワーキング機会提供
・実用化や市場展開に向けた材料・安全性・経済性議論の深化
といったグローバルな水素エネルギー分野の最前線共有を目的としたイベントです。
中でもアメリカエネルギー省(DOE)水素・燃料電池技術部門の元ディレクターだったSunita Satyapalさんの基調講演はこの二日間の白眉と言えるものでした。
水素市場は期待されてきたほどのスピードでは拡大しておらず、現時点では市場規模も限定的です。例えば、水素ステーションの整備は進んでいるものの利用率は高いとは言えず、燃料電池車の普及台数も当初の想定を下回っています。
産業用途でも実証事業が中心で、本格的な量産・商業化に至った例はまだそれほど多くありません。
そのため、水素社会は本当に到来するのだろうかと疑問を感じてしまうことも正直なところあります。
それでも今回のフォーラムでは、欧米やアジア各国における具体的かつ前向きな取り組みが数多く紹介され、停滞しているように見える水素分野にも確かな前進があることを実感しました。
基礎研究から社会実装を見据えた講演まで幅広く、水素は課題を抱えながらも着実に可能性を広げていると感じられる内容でした。
今後「死の谷」を乗り越えて将来への心強さを覚える二日間となりました。








