年末年始は割とのんびりしていて、ミステリばかり読んでいました。
「あなたが誰かを殺した」 東野圭吾 著
「どちらかがあなたを殺した」「私が彼を殺した」に続く、三部作の最終編。
「次に書くなら題名は『私が誰かを殺した』に決まっている」とはずっと前に聞いていたのですが、とうとう出ました。
文庫本が出るのを待たずに、単行本で購入。
前2作とは登場人物が被っているとはいえ、テイストが異なります。全2作は犯人当ては最後、読者の推理に任せるという憎いスタイルでしたが、今回は普通のミステリーでした。
共通点は論理的に犯人を見つけ出していることでしょうか。シャーロック・ホームズの名言で「全ての不可能を除外して最後に残ったものが如何に奇妙なことであってもそれが真実となる」というのがありますが、それを思い出させます。
「王とサーカス」 米澤穂信 著
「満願」 米澤穂信 著
二冊とも同じ著者で、共に「このミステリーがすごい」「ミステリーベストテン」「ミステリが読みたい」の3ランキングでナンバーワンとなった(2014年と2015年)作品です。違うのは「王とサーカス」が長編、「満願」が短編集というところでしょうか。
2023年に「可燃物」で三度ミステリー三冠に輝いたのですが、この人の作品は今まで読んだことがなかったので、過去三冠作を比較的安価な文庫本で購入して読みました。
食べ物に例えるならば、「王とサーカス」はじゅうじゅう焼けた分厚いステーキを食べたような感じ、「満願」はお祭りの屋台でお好み焼きや焼きそば、綿菓子をいろいろと食べたような感じと言えばいいでしょうか。どちらも素晴らしい内容でした。
ミステリーでない本も一冊読みました。
「サイコロジー・オブ・マネー」 モーガン・ハウセル 著
新聞やネットでは「新NISA」など「貯蓄から投資へ」的な話題を時々聞きますが、その関連でこの本が紹介されていたので読みました。
(実はずいぶん前に購入はしていたのですが、積んでいるだけで読んでいませんでした)
基本的には最終章のひとつ前の章を読めばいいのですが、「長い目で物事を考える」「派手なことよりも優しさや謙虚さの方が大事」「物事がうまく行っているときは慎重に、うまくいかない時は寛容に」などなど、意外と東洋哲学的な結論のようです。
「投資」の話をしているようで、「生き方」に対するスタンスをどう考えるかという本でした。
この記事は「投資としての読書」というタイトルですが、「投資の考え方についての読書」となりました(^^;