ゴールデンウィークが終わり、都市中心部は80%の人出減となり、観光地はどこも閑散とし、新幹線は軒並み20%以下の乗車率となりました。
観光・飲食業を始め、商売に影響が甚大で悲鳴を上げている業種が多々あると連日報道されています。
いつ新型コロナウイルスが収束するのか、これからどんな日常生活になっていくのか、なかなか予測がつきづらい日々が続きます。
一方で思わぬところでよい影響が出ている分野もあります。
それは「CO2(二酸化炭素)排出量削減」です。
日本だけでなく世界中での新型コロナウイルス対策としてのロックダウン(都市封鎖)や経済活動の縮小が、大気汚染の改善や二酸化炭素(CO2)排出量の減少といった環境へのプラス効果をもたらしているようです。
ググってみると、下のような記事が見られます。
・中国では3月1日までの4週間で二酸化炭素(CO2)排出量は2億トン減少し、前年同期比では25%減となった。
・今年の世界のCO2排出量は前年比で5%以上の削減になるとの推計が出た(2008年のリーマン危機時は1.4%減)
また具体的な数字はありませんが、ここ数か月の自粛状況を考えると、日本でもかなりの量のCO2排出削減が行われているのではないでしょうか。
実際、朝夕外を歩いてみると、なんだか空気が澄んでいるように感じます(気のせいかもしれませんが)。
とはいえ、今回のCO2削減は産業の構造的変化によるものではないので、緊急事態宣言が終わり「新型コロナ危機」がいったん収束すると、今のままではCO2排出量は元のペースに戻ると思われます。
これに合わせて世界の科学者や環境保護活動家、宗教指導者などからは、「新型コロナ後」の工業生産や経済活動のあり方を恒久的に見直すべきだとの声が上がっているようです。
ビル・ゲイツさんもこんなことを言っています。
「技術革新と科学と世界が力を合わせることの意義は、これら2つの問題のどちらにも当てはまる。科学の側面とデータ共有という側面において、偉大なる協力が進んでいくさまをみんなが目の当たりにすることだろう。」
近年、欧米をはじめとする多くの先進国が「2050年までに温室効果ガス排出をゼロに」を目標に掲げ、日本でも「2050年までに80%の温室効果ガスの削減」が目標となっています。
今回の新型コロナ危機を契機として、エネルギーの調達方法と利用方法の転換に舵が切られれば、これも「ニュー・ノーマル」と言えるでしょう。
ソーラーや風力・バイオマスなどのCO2を出さないエネルギー源への転換が進むといいですね。
その中で二次エネルギーとしてゼロ・エミッションの「水素」の利用が進むと嬉しいです。