ここ数日、多少の増減はありながら、新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向ですね。
これも「接触8割減」の効果なのでしょう。先週末は大阪梅田近辺でも人出が85%減少したといいます。
日本では緊急事態宣言を出しても法的拘束力がないのに、ここまで皆さん自制して、すごいことだと思います。
ふと、「空気の研究」という本を思い出します。
社会人になったころによく読んでいた本です。毎日寝るとき読むと、すぐに寝られてしまうという「魔法の本」でした(^^;
日本人には「空気」という独特の概念があり、「とてもものを言える『空気』ではなかった」「あの場の『空気』ではああせざるを得なかった」 ということが良くあります。著者の山本七平はこの本の中で、その「空気」の正体を追及しています。
彼は 「臨在感的把握」という「目には見えない何かが、あたかも実際に存在しているかのように感じること」に対して、そこに感情移入して一体化することに「空気」が発生する原因がある、と断じます。
この本の中ではこの「空気」は悪い意味で使われており、 この「空気」のために本来あるべき方向ではなく間違った結論に導かれてしまうという、日本社会の多様性を許さない不寛容な風潮の象徴として紹介されています。
ただ、今は逆にいい「空気」のおかげで、大きな強制力がないのに皆さん外出を控え、接触を減らしているのでしょう。
ワクチンのない今、感染を防ぐには接触を避けるのが一番であり、いまは「空気」がいい方向に出ているのだと思います。
(ただ、「空気」は行き過ぎることがあるので、それには気をつけないといけません。)
緊急事態宣言が延長されるとの報道もありますが、とりあえずはあと数週間の辛抱と思われます。
一刻も早く新型コロナウイルス騒動が収束しますように。