先日、東海バネ工業株式会社の工場見学会に行ってきました。
東海バネ工業は、「日本でいちばん大切にしたい会社」でも取り上げられている会社です。
以前から東海バネさんのことは「いい会社」だと知っていたのですが、今回、兵庫県豊岡市にある製造工場を訪問して、衝撃を受けました。
「いい工場は入った瞬間にわかる」と言います。5Sがいきとどいて一見殺風景に見えるほど。まさにこの工場がそれでした。
ご案内をしてくださった入社二年目の女性、現場で質問に答えてくださった社員の男性の方、作業中にも関わらず手を止めて挨拶をしてくれた方々、毎日職場をきれいに掃除してくださる皆さん方。
隅々まで素晴らしさがいきわたっていました。文字や映像ではなかなか伝わりにくい雰囲気やにおいや息遣い、そういったことが工場見学で実感できました。
そのあと渡辺社長との質疑応答があったのですが、「東海バネはついている会社」という社長の言葉がとても心に残りました。
言葉の端々に社員を大切にしていることがよくわかります。社員を信じ、ともに成長する。給料をコストではなく可能性としてとらえている。
もちろんその気持ちだけでなく、ラッキーを引き寄せるために多くのことをしているのは間違いありません。
よい果実が実るために畑を耕し、丹精込めて育てていると感じます。
実際、この会社には品質・コスト・納期・安全・サービス・コミュニケーション・材料・設備・教育訓練、すべて整っていました。
少量・多品種・不定期の仕事をあえてする。むやみに量を追わず、よそではできないことをやり、付加価値を十分とる。
中小企業の目指すべき一つの到達点です。
付加価値を生み出すための強いビジネスモデルと、日本で一番大切にしたくなる社風。
「男は強くなくては生きていけない、優しくなくては生きていく価値がない」というレイモンド・チャンドラーの言葉を思い出しました。