皆さん「ローテーション」と聞いて何を思い出されますか?
車のタイヤのローテーション、なんて言葉を連想されることがあるかもしれません。前後左右を順繰りに入れ替えることでタイヤの摩耗を均等にして長持ちさせようというものですね。
わが社でも「ローテーション」を行うことがあります。この場合の対象はタイヤではなく、人です。ウチの工場にはロール・裁断・成形・仕上・検査といった工 程があるのですが、現場スタッフが働く工程をローテーションするのです。今までと違う工程で仕事をして新しい技能が身に着いたり、前後の工程を経験するこ とで流れを知り、改善・品質向上のためのヒントを得ることができたりします。一人二役、多能工化の手段としての「ジョブ・ローテーション」です。
いつもは若手の研修のために行うことが多いのですが、今回、大阪工場の班長のジョブローテーションを行いました。仕上・検査の班長が裁断・成形に、裁断・成形の班長がロールの班長に、ロールの班長はロールの技術指導役になりました。
順繰りにぐるぐる回るところは、本当にタイヤのローテーションみたいですね。
さて、ローテーションをして約一週間たちました。班長も新しいことをたくさん覚えなければいけないので必死ですし、現場のスタッフも班長が変わることで刺激になったのか、自分たちも頑張らねばと思ったのか、動きがなんとなくイキイキして見えます。不思議なものですね。
それで思い出すのは、トイレ掃除です。毎朝やっている会社のトイレ掃除がもうすぐ600回になるのですが、毎日一生懸命便器を掃除しても、汚れが着くんで すよ。本来でしたら毎日掃除しているのでそんなはずはないのですが、毎日やっていても「サボったリング」が少し・・・仕事も同じことです。毎日一生懸命に仕事 をしているつもりでも「よどみ」がたまるのですね。
ローテーションは組織の中でたまりがちな「よどみ」をリフレッシュするいい方法なのかもしれません。班長達当人にもスタッフのみんなにも、一時的に負担をかけるのは申し訳ないのですが、きっとこの状況を乗り越えて、将来いい形で返してくれることと思います。