日本ゴム協会の「第24回エラストマー討論会」で弊社の技術部の若手T君が、「水素ステーション緊急離脱カップリング用Oリングゴム材料におけるフィラー配合設計」というテーマで発表をいたしました。「エラストマー討論会」というのは、一年に一度開かれる、ゴムの業界での一番大きな学会です。
いわゆる「学会」というところで発表をするのは、弊社の創業以来初めてのことです。今まで「学会」というのはなにやら雲の上の話でした。どうやったら学会に発表することができるのか、そもそも発表に値するような研究テーマが社内にあるのかさえわかりませんでした。
この数年ありがたいことに、耐水素用ゴム材料関係の研究の一端に関わらせていただきました。といっても試作品を請け負っていただけですが。おかげで、今回このような小難しいテーマで発表することができるようになりました。
今回は原稿の作成、発表用の図面の作成、リハーサルなど準備をして臨みました。多くの目の前がいいだろうということで、会社の朝礼の時間にみんなの前でリハーサルもしました。
発表は飯田橋から徒歩数分、神楽坂にある東京理科大学の森戸記念館で行われました。
「神楽坂」と言えば権謀渦巻く政治の裏舞台というイメージが強いですが、にぎやかな坂の街でした。料亭はどこにあるんでしょうね?
発表の時、私はわが子を見守るような面持ちで見ていました。初めてのことだし、最後まで立っていればそれでいい、位の気持ちでした。「緊張であがっていたら、地面のアリを探しなさい」とブルース・リーのようなアドバイスを与えて送り出しました。
もちろん発表は室内なので、アリはいません(^^;
発表の冒頭、マイクの音が入らなかったりするアクシデントがありました。しかしトラブルにあわてることなく、堂々とゆっくり落ち着いて話していました。
わかりやすく、いい発表だったのではないかと思います。
質疑応答の時間で質問にしどろもどろになっていたのはご愛嬌です。
学会のあとはご褒美でイタリアンレストランへ。おいしかったです。
「今回はやりがいがありました。会社の名前が外に出ることに対して少し貢献できたのならうれしいです」
とホテルへ向かう途中、T君がほろ酔いになりながら言ってくれたのはずっと忘れることはないでしょう。
私が社長になったころに思っていた「学会での発表」という夢がかなって感無量です。