近ごろお取り引き先のお客様の中に、希望退職をされる方が何人かいらっしゃいました。
9月末にかけて、その方たちに会いに行ってきました。
その方たちは私達と長いお付き合いをしていただいた人ばかりです。
いわば「井戸を掘ってくれた人」、すなわち最初に私達をそのお取引先に引き入れてくれた人・あるいはそれに近い人々です。
こういう人を大切にしなければいけないと、先代(父親です)からはいつも言われていました。
私達にとっても恩人であり、これからもお世話になりたいと思っていた方ばかりです。
お会いして話をしていると、昔のことが思い出されて少々つらくなります。
私が駆け出しのころ、他に行くところがなくて毎月用もないのにお邪魔したり、私がわからないことを親切に教えてくれたり、為を思って叱ってくださったこともありました。
皆さん筋の通った、それでいていつも敬意を持って接してくれた人ばかりでした。
私はこの方たちを通して育ててもらいました。今こうしてトップを務められているのも、ある意味この方たちのおかげです。
昔の話をしているとその端々に、誰よりもその会社のことが好きだったはずなのに、心が離れて辞めざるを得なくなってしまった無念さも感じました。退職に至った経緯は皆さんそれぞれなのでしょうけれど、一様に同じような表情をされています。
ある方が「去るのも大変だし、残るのも大変だなあ」としみじみ言っておられたのが印象的でした。
僭越ながら、この方々の新しい人生に幸あれと願わずにはいられません。
会社同士のお付き合いではないかもしれませんが、また何らかの形でお互いの人生にかかわることができればいいなと思います。