先日、20数年ぶりに高校の同窓会に参加しました。
高校卒業以来はじめて会う人も多かったので、一目では正直分からない人だらけでした。「ええと、誰でしたっけ?」なんてぎこちない会話から始まりました。しかし二言三言、言葉を交わして笑顔がほころぶと、遥かな記憶がすぐによみがえり、お互い一気に20数年前に戻りました。
みんな年輪を重ね年相応に貫禄がついて、正直街ですれ違っても分かりません。60人ほど集まった同級生の職業や立場は大きく違えども、話せばみんな18歳。共通の時間を過ごしたことがこんなにも豊かな感情を呼び起こすことに、正直びっくりしました。
魂の柔らかな時期に出会ったたくさんのことは、私のアイデンティティの原風景になっていると実感しました。
「人生で必要な知恵は、すべて幼稚園の砂場で学んだ」という名エッセイ本がありますが、さしずめ私の場合は、「人生で大切なことはすべて高校の中庭で学んだ」ということでしょうか。
あの時期にこのような個性豊かな人たちと「同じ釜の飯を食べた」ことは、本当に私の財産というべき経験です。