「私は仕事はわからんから、皆がわしに教えてくれと言っているんです。
皆が思っていることを少しでもいいからいってくれと。
それを工場長や部長に上げるから、どうか言ってくれと。
今まで「どうせ言っても変わらんから」、と思って我慢していたこと。
そういうことをちょっとでいいから言ってほしい。
上にはわしが悪者になるから何でも言ってくれ。
言ってそれが通るかどうかは上の判断だからわからんけれど、
少なくともちゃんと言うから。
そうやってみんながやりにくいこと、我慢していたことを変えていくのが私の役目
だとおもっとるんですよ」
と、この年明けに鳥取工場の班長になったばかりのベテラン・Mさんがおっしゃられていました。
別に本を読んだわけでもどこかで習ったわけでもないのにそういう考えで行動できるこの方はなんてすばらしいのでしょう。
考え方をすり合わせたわけでないのに、私のやってほしい班長の役割を見事に体現してくれています。
最近では班の仕事にも慣れ、ぼちぼち作業者も意見を言ってくれるようになったそうです。
実際、職場にはいくつも工夫した跡が伺えます。
そのせいか、仕上検査の部屋に入った時になんだか空気がやわらかく、明るくなったような
感じがしました。
もっともっと良い職場になる、そういう予感がしました。