技術部 Komon
“モノづくり”をするにあたって私が大事だと思うことは、
何事にも挑戦して、多くの実施と経験を積み重ねる事だということです。
特にゴムの配合は、その製品の性能を決める最も重要な要因のひとつとなります。
まずは基本配合を決めて、いろいろと積み重ねてきた経験を元に工夫をする。挑戦する。
失敗してもそれがまた経験となり、次のステップにつながる。
失敗も貴重なデータとなるのです。
日本ゴム協会誌VOL.32/2009 1月号『配合設計の概要と応用のコラム
3:配合師の枠』内に大昔のゴム工業会には「配合師」と呼ばれる錬金術的技術者が君臨していた。
配合を社外秘どころか、社内でも秘密にし、技術的知見を独占して、
工場長以上の高給を得ていた様子。
薬品名を勝手に変えたり、配合内容をコード番号で表示したり、
圧力ゲージの数字を消したりするなど、配合や製法が判らぬ工夫をしていたこと。
スパイ工員に配合を知られて、お払い箱にされるのを防ぐべく配合師も懸命であった。
・・・、と記されていました。
私もゴム材料の配合に長年たずさわっていますが、
実際に試作し、量産をしてもその結果はお客様にも私たちにも判らないことが多いのです。
ゴム材料の配合は、1プラス1が2にならず3~4になることもあり、
逆にマイナスになることも多々あります。つまりやってみないと判らない。
結果は1年後いや2~3年後になるのです。
そういう意味で、不具合なしに長期間使用されているゴム材料は、その会社の宝物であり、
ノウハウなのです。
高石工業は60年の実績を土台に、皆様からいろいろと相談を受け、
また提案の出来る会社だと自負しております。
現在そのゴム配合のポイント、つまり”モノづくり”に挑戦する気持ちを、
いかにして後輩に受け継いでもらおうかと日々考えております。