液体水素にもゴムOリングは使えるのでしょうか?
水素エネルギーの活用が広がる中で、高圧水素ガスだけでなく、液体水素の貯蔵や輸送にも注目が集まっています。液体水素は体積を大幅に小さくできるため、大量輸送や貯蔵の面で期待されています。しかし、シール材にとっては非常に厳しい環境です。
Q. 液体水素にも使えますか?
A. 液体水素は極低温環境になるため、通常の高圧水素ガス用Oリングを使用することは困難です。
解説
液体水素の温度は約−253℃です。この温度では、一般的なゴム材料はほとんど弾性を失い、硬くなってしまいます。Oリングはゴムの弾性によって相手面に密着し、シール性能を発揮する部品です。そのため、弾性を失うと、Oリング本来の役割を果たすことが難しくなります。
一方、水素ステーションなどで使われる高圧水素ガス用Oリングでは、−40℃程度の低温性能が求められることが多くあります。これは非常に厳しい条件ではありますが、液体水素の−253℃とはまったく異なる技術領域です。
液体水素用途では、材料そのものの低温特性に加えて、金属部品との熱収縮差、シール構造、組付け方法、温度変化への追従性なども検討する必要があります。したがって、高圧水素ガス用で実績のある材料であっても、そのまま液体水素に使用できるわけではありません。
高石工業からの一言
高圧水素ガス用と液体水素用では、求められるシール技術が大きく異なります。
高石工業では、高圧水素ガス用途を中心に、−40℃対応のEPDM材料や高温対応のFKM材料を開発してきました。液体水素のような極低温分野についても、今後の水素社会の進展に合わせて、材料技術とシール設計の観点から研究・検討を続けていきます。






