【高圧水素用OリングQ&A⑥】
高圧水素用と低圧水素用のOリングは何が違うのですか?
水素用Oリングといっても、使用される圧力条件によって求められる性能は大きく変わります。数MPa程度の比較的低い圧力で使われる場合と、70MPa級の高圧水素で使われる場合では、材料選定や設計上の注意点がまったく異なります。
Q. 高圧水素用と低圧水素用で違いはありますか?
A. あります。高圧水素では漏れ対策に加え、急減圧によるブリスターや破壊への対策が重要になります。
解説
水素は分子が非常に小さく、ゴム内部へ浸透しやすい性質があります。圧力が低い場合でも水素の漏れには注意が必要ですが、高圧になるほどゴム内部へ入り込む水素量が増え、より厳しい条件になります。
高圧水素用途で特に重要になるのが、RGD(Rapid Gas Decompression:急減圧)による損傷です。高圧状態でゴム内部に浸透した水素が、急激に圧力が下がることで膨張し、ゴムの内部に亀裂やブリスターを発生させることがあります。
また、高圧ではOリングが溝のすき間から押し出される「はみ出し」にも注意が必要です。そのため、材料の硬度、溝寸法、バックアップリングの有無、相手材の加工精度などを総合的に検討する必要があります。
つまり、高圧水素用Oリングでは、単に「水素に使える材料かどうか」だけでなく、高圧・急減圧・温度変化・長期使用に耐えられるかを確認することが重要です。
高石工業からの一言
「水素用」という言葉だけでは、必要な性能は判断できません。低圧水素と高圧水素では、シール材に求められる役割が大きく異なります。
高石工業では、使用圧力、温度、減圧速度、溝設計、使用回数などを確認したうえで、最適な材料とシール設計をご提案しています。高圧水素用途では、実際の使用条件を正しく把握することが安全な設計の第一歩です。






