水素を燃料として走る車は燃料電池自動車と呼ばれ、FCV(Fuel Cell Vehicle)とも呼ばれます。
その燃料電池自動車(FCV)に水素を供給するのが水素ステーション(Hydrogen Refueling Station)です。
私たちの会社では高圧水素用のOリングを開発しています。今では、日本の多くの水素ステーションで採用され、使用用途が広まりつつあります。
今回は水素ステーションについての解説をさせていただきます。
○水素ステーションの構成
水素ステーションは主に水素製造装置・水素圧縮機・蓄圧器・ディスペンサーというデバイスで構成されています。
水素をどうやって持ってくるのかという点で、「オンサイト型」と「オフサイト型」に分かれます。
「オンサイト型」は都市ガスやLPGを改質して(水素ステーション内で)水素を取り出します。
「オフサイト型」は水素ステーションの外で製造した水素をトレーラーなどで運んできます。
また、車載コンテナに充填に必要な設備をすべて搭載している「移動式水素ステーション」というものもあります。
〇実際の水素ステーション
こちらは、岩谷産業さんの運営する「水素ステーション尼崎(兵庫)」です。2014年に開所した日本初の商用水素ステーション(オフサイト型)です。
この水素ステーションは水素タンクに貯蔵した液化水素を気化させて、水素を供給しています。
左に見えるのが水素ディスペンサー。
水素圧縮機や蓄圧器はその裏にあります。
○移動式水素ステーション
移動式水素ステーションは、車載コンテナに必要な設備をすべて搭載しています。
必要最小限の設備なのでコストを抑えられることと、移動できるので広範囲エリアをカバーできるのが特徴です。
(HySUTのHPより抜粋)
http://hysut.or.jp/information/pdf/FC6.pdf
こちらは大阪ガスさんが運営している「上鳥羽水素ステーション(京都)」です。
専用のトラックが常駐していて、そこから水素充填ができます。
この移動式水素ステーションの水素は30㎞程離れた「北大阪水素ステーション」で作られた水素をカードルで運んできます。
2020年5月現在、商用水素ステーションは129カ所が稼働しており、うち39カ所が移動式(複数にまたがる場合も含める)です。
詳しい情報はこちらからご覧ください(FCCJ(燃料電池実用化推進協議会)様のHPに移動します)。
次回は水素ステーションの使用環境の話をします。