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高石工業株式会社 伸縮自在ブログ 高石工業の設備紹介 高石工業の設備紹介 その1 テストロールについて
2009年8月24日

高石工業の設備紹介 その1 テストロールについて

キーワード:テストロール、オープンロール、ゴム材料の研究開発支援

技術部の高橋です。

今回は高石工業の技術部で使用しているテストロールの紹介をします。

CIMG8469-2.JPG

 

1.テストロールとは

 
 当社は『練り』の工程をオープンロールで行っています。
そのオープンロールの小型版がテストロールで、当社には6インチのテストロールが2台あります。1台は会社の歴史(今年で61年目)より古いであろうと思われるもので、もう1台は導入されてからまだ2年半ほどしか経っていない両極端な設備です。

 

2.新旧テストロールの使い分け

CIMG8508-2.JPGテストロールはカーボンブラック配合のゴムを試験練りするときや、少量のゴムを分出し(ゴムの塊をシート状に加工すること)するときに使用しています。

一方、新テストロールは主にカラー配合のゴムを試験練りするときに使用していますが、まれにカーボンブラック配合のゴムを試験練りするときにも使うことがあります。
その理由は、新テストロールには旧テストロールにない機能が2つあって、その機能を使わないと練りにくい(もしくは練れない)場合があるのです。

 

3.新テストロールの2つの機能

CIMG2946-2.JPG1つ目の機能はロール回転数を変えられることです。
どんなときにロール回転数を変えるかというと、ロールに粘着しやすいゴムを練るとき作業性を良くするために回転数を遅くしたり、薬品の分散を良くするために回転数を早くしたりします。
実際にこの機能があるおかげで、ものすごくロールに粘着するゴムでも少しの工夫で練れるようになったということがありました。

2つ目の機能はロール表面温度を最大150℃まで上げられることです。この機能はあまり使うことがないのですが、高温でしかゴムに混ざらないという薬品もあり、そういった場合には新テストロールが活躍するわけです。

 

4.テストロールの役割

テストロールには以下のような役割があります。

・ 少量のゴムを分出しする
・ 少量(300~500g)しか必要ない材料の混練りをする
(通常の混練りは14or18インチオープンロールで行っています)
・ 新規ゴム材料を開発する時に試験練りをする

といったことです。

 

当社はウェブなどでお問い合わせのあるゴム材料の研究開発支援や試作に力を入れています。
ゴム材料の研究開発支援とは、『あるゴムにこの薬品を入れて練ってくれませんか』、『試験してダメだったので次にこの薬品を入れて練ってくれませんか』といったやり取りを繰り返す中で、お客様の使用目的に合う最適のゴム材料を一緒に作り上げていくことです。

あるいはお客様が要望されるゴム材料を新たに開発して、そのゴム材料を提案することです。
この過程の中で必要となるゴム材料は、試験する分があればよいだけなので、一回につき数百グラムです。試作の場合も同様に、一回での製作数は数個の場合が多いので、必要なゴム材料は数百グラムになります。

このように少量練りができるテストロールがあることによって、ゴム材料の研究開発支援や試作にも対応することができるので、技術部員にとってはとても重要度の高い設備となっています。

 

以上でテストロールの紹介は終わりです。

 

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