キーワード:剛板とゴムの接着、ダンベル状試験片
技術部の高橋です。
前回は、ダンベル状試験片の引張試験についてのお話でした。今回は、剛板とゴムの
接着性を調べる試験についてのお話です。
1.試験片について
試験片は、剛板(25mm×60mm×1.5mm)に対して、接着面が剛板のほぼ中央になるようにゴム(25mm×125mm×6mm)を接着したものです。(下図参照)
接着方法は加硫接着と言い、剛板の接着させたい部分にあらかじめ接着剤を塗布しておき、
成形と同時に接着させる方法です。
剛板の非接着面には、セロハンなどを挟んで剛板とゴムが接着しないようにしたりする場合もあります。
2.試験方法について
このはく離試験も、ダンベル状試験片などを引張るとき
に使用するオートグラフという試験機で行います。
試験はJIS規格に沿った方法で行っているので、
室温、試験片の保管方法などの条件は、ダンベル状試験片の引張試験と同じなのですが、引張速度に違いがあります。
ダンベル状試験片の場合、1~6号形は毎分500±50mm、7,8号形は毎分200±20mm という条件で引張ることになっているのですが、このはく離試験の場合には、毎分50±5mmの条件で引張ります。
試験方法についてもオートフラフを使用して行うので、基本的にはダンベル状試験片の場合と同じです。
ただ、試験片は剛板が試験装置と水平になるように取付けないといけないので、そのままでは取付けることができません。
そこで、高石工業オリジナルのジグ(写真参照)を
使用してはく離試験を行っています。
実はこのジグは、高石工業が昔ショッパー式引張試験機を使用して
いたときに自家製で作製したもので、現在のオートグラフ仕様に
するために、さらに改良を施したものなのです。
そのジグを使用して、写真のようにオートグラフに取付けて
はく離試験を行い、剛板とゴムの接着性を調べているのです。
剛板とゴムの接着はく離試験については以上です。
次回はOリング及びその他の引張試験についてのお話です。