一口にゴムといっても、その材質は様々です。
私が扱うのは工業用途に適した「合成ゴム」の中でも「特殊ゴム」と呼ばれるものです。
NBR・EPDM・フッ素ゴム・シリコーンゴム・・・・
それぞれの特性を最大限生かせるようにご提案をいたします。
また薬品の配合ノウハウによって、最適な性能を引き出すことができます。

せっかく作りこんだ製品でも、材料選定を誤ると100%のパフォーマンスを発揮することは出来ません。
私たちは、長年蓄積されたデータやお客様からのニーズをフィードバックし、使用用途に合わせたゴム材料の研究開発を日々行っています。

黄銅・青銅・鉄・ステンレスなどの金属とゴムの一体成形(焼付成形)製品も得意としています。
まずは、製品の使用用途やお困りごとなどをご相談ください。
最適なゴム材料をご提案させていただきます。

注目!わが社のイチオシゴム
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耐水素ゴム
近年注目を浴びる「水素ステーション」向けのゴム材料です。70Mpaの高圧にも耐えることができます。

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SPラバー
固着防止・摩擦抵抗の軽減を目的に開発された機能性ゴム材料です。ガス・水道・各種溶剤など使用用途により、様々な用途のゴム材料で低摩擦を実現いたします。

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FFKM(パーフロ)
全てのゴムの中で、最も優れた耐薬品性・耐溶剤性・耐熱性を有するゴム材料です。分子構造の主鎖がすべてフッ素結合(C-F)であるため、同じ極性を持つ薬品(有機フッ素薬品等)を除いた、ほぼ全ての薬品から影響を受けない耐薬品性を有しています。

ゴム材料の基礎知識
NBRとは
ニトリルゴム(NBR)は、ブタジエンとアクリロニトリルの共重合体です。
耐油性特殊ゴムの代表格であり、耐熱性・耐ガス透過性・機械的性質にも優れているため、自動車部品や工業用品などに幅広く使用されています。
ただし、化学構造上耐薬品性・耐候性(オゾン)が弱い面もあり、使用・保管環境には注意が必要です。
| シール対象流体(NBR) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| エンジン油 | ◯ | ガソリン | ◯ | ベンゼン | ✕ |
| ギヤ油 | ◯ | 軽油・灯油 | ◯ | メタノール | ◯ |
| リチウムグリス | ◯ | 重油 | ◯ | アセトン | ✕ |
| シリコーングリス | ◯ | 水 | ◯ | トルエン | ✕ |
| タービン油 | ◯ | 熱水・水蒸気 | △ | エタノール | ◯ |
| リン酸エステル油 | ✕ | 塩酸 | ✕ | 都市ガス | ◯ |
| シリコーン油 | ◯ | 硫酸 | ✕ | LPG | ◯ |
| ブレーキ油 | △ | 硝酸 | ✕ | オゾン | ✕ |
◯:使用可 △:条件により使用可 ✕:使用不可
「新版 ゴム技術の基礎(日本ゴム協会編)」「非金属材料データベース(日本規格協会)」、及び社内資料より抜粋・編集。
(注意)この一覧表は一般的性能の目安で、保証するものではありません。
EPDMとは
エチレン・プロピレンゴム(EPDM)は、エチレンとプロピレン、さらに少量のジエンを含む三元重合体です。
使用温度の可能領域が-40~120℃程度と広く、耐水性・耐老化性・耐候性(オゾン)に優れているため、自動車・工業・建設用製品などに幅広く使用されています。
高石工業では、水廻りのシール用材として長年実績があり、+αの性能を持たせた高機能ゴム材料を開発しています。
| シール対象流体(EPDM) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| エンジン油 | ✕ | ガソリン | ✕ | ベンゼン | ✕ |
| ギヤ油 | ✕ | 軽油・灯油 | ✕ | メタノール | ◯ |
| リチウムグリス | ✕ | 重油 | ✕ | アセトン | ◯ |
| シリコーングリス | ◯ | 水 | ◯ | トルエン | ✕ |
| タービン油 | ✕ | 熱水・水蒸気 | ◯ | エタノール | ◯ |
| リン酸エステル油 | ◯ | 塩酸 | ◯ | 都市ガス | ✕ |
| シリコーン油 | ◯ | 硫酸 | ◯ | LPG | ✕ |
| ブレーキ油 | ◯ | 硝酸 | ◯ | オゾン | ◯ |
◯:使用可 △:条件により使用可 ✕:使用不可
「新版 ゴム技術の基礎(日本ゴム協会編)」「非金属材料データベース(日本規格協会)」、及び社内資料より抜粋・編集。
(注意)この一覧表は一般的性能の目安で、保証するものではありません。
FKMとは
FKM(フッ素ゴム)とは、有機フッ素化合物を中心とした重合物です。
フッ素結合が多いことから、耐熱性や耐薬品性、耐溶剤性・耐オゾン性などが、他の合成ゴムと比べて非常に優れています。近年非常に注目され、活躍の場が増えてきているゴム材料です。
ただし、有機酸・ケトン・エステル・アミン系の薬品には耐性がなく、価格も他のゴムと比較すると少し割高となります。
| シール対象流体(フッ素ゴム) | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| エンジン油 | ◯ | ガソリン | ◯ | ベンゼン | ✕ |
| ギヤ油 | ◯ | 軽油・灯油 | ◯ | メタノール | ✕ |
| リチウムグリス | ◯ | 重油 | ◯ | アセトン | ✕ |
| シリコーングリス | ◯ | 水 | ◯ | トルエン | △ |
| タービン油 | ◯ | 熱水・水蒸気 | △ | エタノール | ◯ |
| リン酸エステル油 | ◯ | 塩酸 | ◯ | 都市ガス | ◯ |
| シリコーン油 | ◯ | 硫酸 | ◯ | LPG | ◯ |
| ブレーキ油 | ◯ | 硝酸 | ◯ | オゾン | ◯ |
◯:使用可 △:条件により使用可 ✕:使用不可
「新版 ゴム技術の基礎(日本ゴム協会編)」「非金属材料データベース(日本規格協会)」、及び社内資料より抜粋・編集。
(注意)この一覧表は一般的性能の目安で、保証するものではありません。
FFKM(パーフロロエラストマー)
全てのゴムの中で、最も優れた耐薬品性・耐溶剤性・耐熱性を有するゴム材料です。
四フッ化エチレン-フルオロメチルビニルエーテルゴム(FFKM/パーフロロエラストマー)は分子構造の主鎖がすべてフッ素結合(C-F)であるため、同じ極性を持つ薬品(有機フッ素薬品等)を除く、ほぼ全ての薬品から影響を受けない耐薬品性を有しています。
その高い性能に比例し、価格が非常に高価なため、これまでは自動車や化学プラント・半導体関連機器など、一部の分野でのみ使用されてきました。
近年では価格も安定してきており、他業種での需要も急速に広がっています。
主要材料一覧
| ゴムの種類 | 材料名 | 特徴 | 硬度 | 色 | 用途・実績 |
|---|---|---|---|---|---|
| NBR | N-1170B | 一般汎用 | 70 | 黒 | JIS規格「NBR-70-1」相当の、油・空気・ガス用の標準材料です(旧JIS:1種A)。 |
| N-1190B | 一般汎用 | 90 | 黒 | JIS規格「NBR-90」相当の、油・空気・ガス用の標準材料です(旧JIS:1種B)。 | |
| N-702B | 一般汎用 | 70 | 黒 | JIS規格「NBR-70-2」相当の、耐ガソリン用材料です(旧JIS:2種)。 | |
| N-2150B | 一般汎用 | 50 | 黒 | 油・空気・ガス用の標準材料です。 | |
| N-609B | 一般汎用 | 60 | 黒 | 油・空気・ガス用の標準材料です。 | |
| N-721B | 一般汎用 | 70 | 黒 | 耐オゾン性を有しており、屋外での使用に適しています。 | |
| N-802B | 一般汎用 | 80 | 黒 | 硬度の高いゴムで、水圧の高い水道部品に使われています。 | |
| N-906B | 一般汎用 | 90 | 黒 | 硬度の高いゴムで、ガス機器に使用されています。 | |
| N-515 | 自己潤滑材料 | 50 | 黒 | 固着防止・摩擦抵抗の軽減を目的に開発された機能性ゴム材料です。 | |
| N-709B | 自己潤滑材料 | 70 | 黒 | 固着防止・摩擦抵抗の軽減を目的に開発された機能性ゴム材料です。 | |
| EPDM | E-210 | 一般汎用 | 20 | 黒 | 低硬度のEPDMで伸縮性・屈曲耐性が高いゴムです。 |
| E-401 | 一般汎用 | 40 | 黒 | 低硬度のEPDMゴムで、様々な場面で使われます。 | |
| E-503 | 一般汎用 | 50 | 黒 | 低硬度のEPDMゴムで、様々な場面で使われます。 | |
| E-614 | 一般汎用 | 60 | 黒 | 標準よりやや柔らかめで、 水道周りの使用に適したゴムです。 | |
| E-718 | 一般汎用 | 70 | 黒 | シールとして最適な硬度で、水道周りの使用に適したゴムです。 | |
| E-804 | 一般汎用 | 80 | 黒 | 標準よりやや硬めのゴムで、水道周りの使用に適したゴムです。 | |
| E-618 | 自己潤滑材料 | 60 | 黒 | 固着防止・摩擦抵抗の軽減を目的に開発された機能性ゴム材料です。 | |
| E-743 | 自己潤滑材料 | 70 | 黒 | 固着防止・摩擦抵抗の軽減を目的に開発された機能性ゴム材料です。 | |
| E-813 | 自己潤滑材料 | 80 | 黒 | 固着防止・摩擦抵抗の軽減を目的に開発された機能性ゴム材料です。 | |
| E-916 | 耐水素用 | 90 | 黒 | 耐水素性に優れ、高圧(90MPa)・低温(-40℃)に対応するEPDMです。 | |
| FKM(フッ素ゴム) | F-6270 | 一般汎用 | 70 | 黒 | JIS規格「FKM-70」相当の、耐熱性や耐薬品性、耐溶剤性・耐オゾン性などが、非常に優れてるゴムです(旧JIS:4種D)。 |
| F-600A | 一般汎用 | 60 | 黒 | 標準よりやや柔らかめで、耐熱性や耐薬品性、耐溶剤性・耐オゾン性などが、非常に優れています。 | |
| F-705 | 耐温水 | 70 | 黒 | 耐熱性や耐薬品性、耐溶剤性・耐オゾン性などが、非常に優れています。 | |
| F-708 | 自己潤滑材料 | 70 | 黒 | 固着防止・摩擦抵抗の軽減を目的に開発された高機能ゴム材料です。 | |
| F-811 | 耐温水 | 80 | 黒 | 耐熱性や耐薬品性、耐溶剤性・耐オゾン性などが、非常に優れています。 | |
| F-914 | 耐温水 | 90 | 黒 | 耐熱性や耐薬品性、耐溶剤性・耐オゾン性などが、非常に優れています。 | |
| F-915 | 耐水素用 | 90 | 黒 | 耐水素性に優れ、高圧(90MPa)・高温(150℃)に対応するフッ素ゴムです。 | |
| FFKM(パーフロロエラストマー) | PF-703 | 高機能材料 | 75 | 黒 | 極めて優れた耐薬品・耐溶剤性をもつ高機能ゴム材料です。 |
| Q(シリコーンゴム) | SRX-50 | 耐温水用 | 50 | 白 | 耐温水用シリコーン材料です。 食品衛生法に適合しています。 |
弊社の主要ゴム材料はRoHS指令に対応しております。
その他コンパウンドも多数ご用意しております。
詳しくはお気軽にお問い合わせください。
JIS材料規格一覧
JIS材料規格一覧
| JIS記号 (JIS B 2401-1) |
NBR -70-1 |
NBR -90 |
NBR -70-2 |
HNBR -70 |
HNBR -90 |
FKM -70 |
FKM -90 |
EPDM -70 |
EPDM -90 |
VMQ -70 |
ACM -70 |
|
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 旧JIS名称 | 1種A | 1種B | 2種 | – | – | 4種D | – | 3種 | – | 4種C | – | |
| 常態試験 | タイプAデュロメーター硬さ | A70±5 | A90±5 | A70±5 | A70±5 | A90±5 | A70±5 | A90±5 | A70±5 | A90±5 | A70±5 | A70±5 |
| 引張強さ(MPa)最小 | 10.0 | 14.0 | 10.0 | 16.0 | 16.0 | 10.0 | 10.0 | 10.0 | 10.0 | 3.5 | 6.0 | |
| 伸び(%)最小 | 250 | 100 | 200 | 180 | 100 | 170 | 80 | 150 | 150 | 60 | 100 | |
| 引張応力(MPa)最小 | 2.5 | 2.5 | 2.5 | 2.5 | – | 2.0 | – | – | – | – | – | |
| 熱老化試験 | 温度及び時間 | 120℃ ×72h |
120℃ ×72h |
100℃ ×72h |
150℃ ×72h |
150℃ ×72h |
230℃ ×72h |
230℃ ×72h |
100℃ ×72h |
100℃ ×72h |
230℃ ×72h |
150℃ ×72h |
| タイプAデュロメーター硬さ変化 | 10 | 10 | 10 | 15 | 15 | 5 | 5 | 10 | 10 | 10 | 10 | |
| 引張強さ変化率(%)最大 | -15 | -25 | -15 | -30 | -30 | -10 | -10 | -15 | -15 | -10 | -30 | |
| 伸び変化率(%)最大 | -45 | -55 | -40 | -40 | -40 | -25 | -25 | -45 | -45 | -25 | -40 | |
| 圧縮永久ひずみ試験 | 温度及び時間 | 120℃ ×72h |
120℃ ×72h |
100℃ ×72h |
150℃ ×72h |
150℃ ×72h |
200℃ ×72h |
200℃ ×72h |
100℃ ×72h |
100℃ ×72h |
175℃ ×72h |
150℃ ×72h |
| 圧縮永久歪(%)最大 | 40 | 40 | 25 | 40 | 40 | 40 | 40 | 25 | 25 | 30 | 60 | |
| 耐油試験 | 温度及び時間 | 120℃ ×72h |
120℃ ×72h |
23℃ ×72h |
150℃ ×72h |
150℃ ×72h |
175℃ ×72h |
175℃ ×72h |
100℃ ×72h |
100℃ ×72h |
175℃ ×72h |
150℃ ×72h |
| 試験油 | 潤滑油No.1 | 潤滑油No.1 | 潤滑油No.1 | 潤滑油No.1 | 潤滑油No.1 | 潤滑油No.1 | 潤滑油No.1 | ブレーキ液 | ブレーキ液 | 潤滑油No.1 | 潤滑油No.1 | |
| タイプAデュロメーター硬さ変化 | -5~+8 | -5~+8 | -8~0 | -5~+10 | -5~+10 | -10~+5 | -10~+5 | -15~0 | -15~0 | -10~5 | -7~+10 | |
| 引張強さ変化率(%)最大 | -15 | -20 | -15 | -20 | -20 | -20 | -20 | -40 | -40 | -20 | -30 | |
| 伸び変化率(%)最大 | -40 | -40 | -25 | -40 | -40 | -20 | -20 | -40 | -40 | -20 | -40 | |
| 体積変化率(%) | -8~+5 | -8~+5 | -3~+5 | -10~+5 | -10~+5 | -5~+5 | -5~+5 | 0~+12 | 0~+12 | 0~+10 | -5~+5 | |
| 温度及び時間 | 120℃ ×72h |
120℃ ×72h |
23℃ ×72h |
150℃ ×72h |
150℃ ×72h |
175℃ ×72h |
175℃ ×72h |
150℃ ×72h |
||||
| 試験油 | 潤滑油No.3 | 潤滑油No.3 | 潤滑油No.3 | 潤滑油No.3 | 潤滑油No.3 | 潤滑油No.3 | 潤滑油No.3 | 潤滑油No.3 | ||||
| タイプAデュロメーター硬さ変化 | -15~0 | -10~+5 | -20~0 | -15~+5 | -15~+5 | -10~+5 | -10~+5 | -20~0 | ||||
| 引張強さ変化率(%)最大 | -25 | -35 | -45 | -30 | -35 | -20 | -20 | -40 | ||||
| 伸び変化率(%)最大 | -35 | -35 | -45 | -40 | -40 | -20 | -20 | -40 | ||||
| 体積変化率(%) | 0~+20 | 0~+20 | 0~+30 | 0~+30 | 0~+25 | -5~+5 | -5~+5 | 0~+30 | ||||
| 低温弾性回復試験 | 低温弾性回復試験 | -15 | -15 | -10 | -15 | -15 | -10 | -10 | -30 | -25 | -30 | -10 |
| 腐食試験 | 温度及び時間 | 70±1℃×24h | ||||||||||
| 外観 | 相手金属を腐食したり、粘り付きを生じさせてはならない。金属面の変色は腐食と認めない。 | |||||||||||
日本規格協会発行「JIS B 2401-1:2012」より抜粋


















