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高石工業株式会社 伸縮自在ブログ ゴムの研究・開発・試作 「自己潤滑性があるゴム材料の性能評価」(3)
2025年5月21日

「自己潤滑性があるゴム材料の性能評価」(3)

前回に続きまして、低摺動材料であるEPDMベースのSPラバーについて、摺動性がどれほど優れているのかを検証しました。

 

通常タイプのEPDM、EPDMベースのSPラバー、通常タイプのEPDMにグリスを塗った場合、のそれぞれについて摺動時の荷重が各々どれくらいになるのか、荷重測定試験を行いました。

 

 

 

 

【荷重測定試験】

 

<試験方法>

引張試験機(オートグラフ)を使用し、摺動速度:118mm/min、摺動距離:5mmでシャフトをボアに挿入しました。

 

動作を10サイクル行い、10回の平均値をその材料の摺動荷重としました。

 

 

 

 

 

 

<結果>

 

通常EPDM+グリスほど摺動抵抗は軽減されないものの、SPラバー単独でも十分な効果が確認できました。

 

 

 

 

 

「終わりに」

 

私たちが自社開発した、自己潤滑性ゴム「SPラバー」についてまとめます。

 

「SPラバー」は「摺動抵抗が少なく」「固着しにくい」ゴムです。基材となるゴム材料に滑材を配合し、自己潤滑性を持たせた弊社独自のゴム材料です。配合した滑材がゴムの中から表面ににじみ出る(ブルームする)ことで、表面になめらかな効果をもたらします。

 

滑材とブルームの関係上、高速回転する摺動部での使用には向いておらず、ゴム表面の摩耗ですべり効果が半減することも確かにあり、使う用途を選ぶという点には確かに留意が必要です。

 

ただ、「時々手動で開け閉めする」「月に数回着脱する」ような場所であれば大変すばらしい効果を発揮します。

 

あるいは、製品の組み立て時においても、組立性の向上、工数の削減、グリス塗布そして洗浄の手間を省き、トータルコストにおいてメリットを発揮します。

 

 

 

 

ご興味があれば、ぜひ一度お問い合わせください。

 

 

 

 

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