前回に続きまして、低摺動材料であるEPDMベースのSPラバーについて、摺動性がどれほど優れているのかを検証しました。
通常タイプのEPDM、EPDMベースのSPラバー、通常タイプのEPDMにグリスを塗った場合、のそれぞれについて摺動時の荷重が各々どれくらいになるのか、荷重測定試験を行いました。
【荷重測定試験】
<試験方法>
引張試験機(オートグラフ)を使用し、摺動速度:118mm/min、摺動距離:5mmでシャフトをボアに挿入しました。
動作を10サイクル行い、10回の平均値をその材料の摺動荷重としました。
<結果>
通常EPDM+グリスほど摺動抵抗は軽減されないものの、SPラバー単独でも十分な効果が確認できました。
「終わりに」
私たちが自社開発した、自己潤滑性ゴム「SPラバー」についてまとめます。
「SPラバー」は「摺動抵抗が少なく」「固着しにくい」ゴムです。基材となるゴム材料に滑材を配合し、自己潤滑性を持たせた弊社独自のゴム材料です。配合した滑材がゴムの中から表面ににじみ出る(ブルームする)ことで、表面になめらかな効果をもたらします。
滑材とブルームの関係上、高速回転する摺動部での使用には向いておらず、ゴム表面の摩耗ですべり効果が半減することも確かにあり、使う用途を選ぶという点には確かに留意が必要です。
ただ、「時々手動で開け閉めする」「月に数回着脱する」ような場所であれば大変すばらしい効果を発揮します。
あるいは、製品の組み立て時においても、組立性の向上、工数の削減、グリス塗布そして洗浄の手間を省き、トータルコストにおいてメリットを発揮します。
ご興味があれば、ぜひ一度お問い合わせください。