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高石工業株式会社 伸縮自在ブログ ゴムの研究・開発・試作 「自己潤滑性があるゴム材料の性能評価」(2)
2025年5月15日

「自己潤滑性があるゴム材料の性能評価」(2)

「性能評価方法」

 

 

各種SPラバーについて、静摩擦・動摩擦係数を測定しました。

 

自己潤滑による滑り性を示す典型的な数値として、「静摩擦」「動摩擦」が挙げられます。

 

 

 

静摩擦係数と動摩擦係数は、物体の摩擦力を表す係数ですが、その適用される状況が異なります。
 
静摩擦係数は、物体が静止している状態から動き出す直前の摩擦力を表し、動摩擦係数は物体が動き出した後の摩擦力を表します。
 
 
 
 
 
  • 静摩擦係数:
    物体が静止している状態から動き出すために必要な摩擦力(静止摩擦力)を、垂直抗力で割った値です。
    物体が静止している間に発生する摩擦力は、静止摩擦力と呼ばれ、その最大値を最大静摩擦力と言います。

     
     
  • 動摩擦係数:
    物体が動き出した後に発生する摩擦力(動摩擦力)を、垂直抗力で割った値です.。
    動摩擦力は、物体が等速で移動している時の摩擦力です。

     
 
 
 
言い換えれば、静摩擦係数は「物体が動き出す前」の摩擦力を、動摩擦係数は「動き出した後」の摩擦力を表すものです。
 
一般的に、動摩擦係数は静止摩擦係数よりも小さい値になります。
 
 
 
 

 

 

 

 

【静摩擦・動摩擦係数測定】

 

<目的>

低摺動材料であるNBRベース・EPDMベースのSPラバーについて、通常タイプのNBR・EPDMと比して静摩擦・動摩擦がどのように変化するのかを調べます。

 

<試験方法>

ASTM D1894(フィルムの摩擦係数測定)に準拠した治具を使用し、移動錘に#120ブラスト処理を施したABS樹脂を張り付け、これを移動試験片としました(ブラスト処理をしないとゴムが張り付き、健全な測定ができないため)。簡便に言うとテーブル上にゴム試験片を設置し、その上を200gの錘が乗ったABS樹脂が滑走している状態になっています(下図参照)。

 

 

 

 

 

JIS K7312、ASTM D1894どちらの規格においても、5個の試験片の試験結果の平均値から1サンプルの報告とすると規定されています。

 

今回の試験では1個の試験片を5回測定しそれらの中央値をとり、各係数を算出しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

<結果>
いずれの材料も、通常タイプより摩擦係数が静摩擦・動摩擦共に1/3~1/5となり、摺動抵抗が軽減されることが分かりました。

 

 

 

 

 

高石工業では、この「SPラバー」のように特徴あるゴム材料を各種取り揃えています。

 

ご興味があればぜひお問い合わせください。

 

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