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2014年5月20日

ゴムの加硫試験


今回はゴムの加硫試験について紹介します。

 

ゴムの加硫とは分子を科学的に結合させて、網状構造を作る事です。

加硫をする事でゴムの分子間に強固な結合が得られ
弾性や引っ張り強さが
増大します。

 

加硫する前の未加硫ゴムは、チューインガムのように伸び
元には戻りませんが、
加硫後のゴムは強固に結合されており
元に戻ろうとします。

 

未加硫から加硫終了までの過程を確認し
材料に間違いがないかを確認するのが
加硫試験です。
弊社はゴム練り毎に加硫試験を行い、品質管理に役立てています。

 

使用する試験装置はキュラストメーターです。


現在のキュラスト.JPG

この装置はゴムの試験片に一定温度、一定圧力でねじり振動を加え

試験片を介して受ける力(トルク)を測定し

配合ゴムの加硫特性を測定する試験装置です。

 

この装置を使って、未加硫から加硫終了までの過程を表した曲線

「加硫曲線」を求める事が出来ます。


4つの加硫曲線.JPG

 

それでは試験を見ていきましょう。

まずはキュラストメーター内、上下2個のダイス間に試料を入れます。

上下のダイス.JPG


ダイス間の試料.JPG






そしてスイッチオン!


ダイスでプレス.JPG

 

下ダイスを動かして試料にねじり振動を与えます。

上ダイスに伝わるトルクを記録し「加硫曲線」を得ます。

 

先程見て頂いた加硫曲線をもう一度ご覧下さい。

一番右端の曲線の形状が他の3つと明らかに異なっています。


4つの加硫曲線.JPG

左から13番目までの加硫曲線は

全く同じ配合のゴムを試験したものです。

一番右端だけ、ある薬品量だけを変えた配合のゴムで試験しました。

 

この様に配合する薬品量が変わっただけで

加硫曲線は大きく違ってきます。

 

もし配合する薬品の種類や量を間違えていても

加硫曲線の形状が異なるので気付く事が出来ます。

 

又この曲線からは加硫が進むスピードや

適正な加硫時間の目安などの情報も得ることができ

初めて配合したゴム材料の加硫条件を決める際にも使用します。

 

先日、新たなキュラストメーターを購入しました。


新キュラスト.JPG

今まで使用していたキュラストメーターは
合否を判定する為に、
加硫曲線のある部分の長さの測定などの
準備作業が必要で、
その作業を技術部員が実施していました。

 

新しいキュラストメーターは

技術部員が実施していた準備作業なしに

合否判定することができます。

 

使いこなせれば、加硫試験に要する時間が短縮されるので

大きな戦力となりそうです。

 

以上 ゴムの加硫試験の紹介でした。

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