前回に引き続き、ゴムの物理試験についてお伝えします。
今回のテーマは「比重の測定」についてです。
比重とは
「ある物質の密度と基準となる標準物質の密度の比」で
個体及び液体については水を基準とします。
算出方法は
「試料の重量÷(試料の重量-水中での試料の重量)」となります。
比重は材料ごとに異なっています。
比重を測定する事で「その材料に問題がないか」が分かります。
まずは分析天秤を用いて試料の重量を測定します。
次に水中での試料の重量を測定し
弊社では3つの試料を測定し、ばらつきが小さい時
(標準偏差が1/1000以下)それらの平均値を採用しています。
ところが測定値がばらついてしまい、なかなか合格しません。
なぜだろう?
技術部のメンバーに相談してみました。
すると分析天秤の周りを眺めて一言
「試料の表面をよくみてください。何か気づきませんか?」
良く見てみると試料の表面に気泡がついています。
水中に試料を入れる際は、試料を指でなぞってから入れます。
表面に気泡が付かないようにする為です。
当然、試料を指でなぞってから水中にいれたのですが…
なぞり方が甘かったのか!
「あとビーカーや天秤に水滴がついているでしょ。
すぐに拭いてくださいね。」と指摘を受けました。
気を遣って測定しているつもりだったのになぁ。
技術部の皆さんが比重を測定している姿を傍からみていると
一見、何気なく測定している様に見えていましたが
色んなことに気を配っていた事が判りました。
この件以来、家の洗面台やキッチンに水滴がついていると
気になってしまい、きれいにふき取るようになりました。
次回もゴムの物理試験についてお伝えします。
お楽しみに。