伸縮自在ブログ伸縮自在ブログ
高石工業株式会社 伸縮自在ブログ その他 異形状のゴム製品の測定について
2014年11月01日

異形状のゴム製品の測定について

前回、前々回はOリング形状の線径、内外径の測定についての

お話でした。今回は、「測れない製品」として、写真1のような

異形状(Oリング形状でない)のゴム製品の測定についてのお話

です。

 

14110101

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このような形状のゴム製品は、容易に変形してしまうため寸法が

安定しません。寸法が安定しないと測定が輪をかけて難しくなり

ます。つまり、測定時の置き方(変形しないように置いたつもり

でも自然に変形している)一つで寸法が極端に変わってしまいます。

 

試しにこの製品をCNC画像測定システム(Nikon製)でn=5の

測定を行ってみました。その結果を表1~3に示します。

 

 

表1 短辺内径(mm)

 

n1

n2

n3

n4

n5

平均

23.97

24.23

23.99

24.60

24.41

24.24

23.78

24.27

24.03

24.56

24.33

24.19

24.17

24.34

23.92

24.34

24.10

24.17

 

表2 長辺内径(mm)

 

n1

n2

n3

n4

n5

平均

92.89

92.89

93.08

92.79

92.94

92.92

 

表3 半径(mm)

 

n1

n2

n3

n4

n5

平均

7.20

7.14

7.23

7.15

7.06

7.16

7.08

7.08

7.07

7.17

7.22

7.12

7.09

7.26

7.05

7.09

7.35

7.17

7.17

7.27

7.17

7.21

7.01

7.17

 

14110102

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

各表の①~⑧は図1に示す場所を測定した寸法です。

表1に示す寸法は短辺の内側の直径、表2に示す寸法は

長辺の内側の直径、表3に示す寸法は4隅の内側の半径と

なっています。

 

表1の結果について、n5の測定で①~③の直径は

23.78mm~24.60mmとなり、平均値が約24.2mmでした。

仮に平均値を基準とした場合、±0.4mmの公差があったと

しても公差外になる値があります。

 

このように寸法が安定しない製品は測定自体が困難で、

ばらつきが大きくなり、測定時の置き方次第で値が変化

してしまいます。

 

勿論、製品そのものは材料の収縮率を見越して製作された

金型で手順通りに作っていますので、出来上がりに問題は

ありません。

 

異形状のゴム製品の測定についてのお話は以上です。

次回は「開発の進め方」についてです。

ページの先頭へ