2017年6月

  • 2017年06月07日

    水素とゴムの話(1)-ブリスタ破壊とはみ出し破壊-

     高圧水素環境下でゴムパッキンを使った場合によく言われるのが

    ブリスタ破壊とはみ出し破壊です。

     

    ○ブリスタ破壊 

    01水素入り込む図

     

     

     

     

      

     

     

    高圧水素ガスに曝されたゴムパッキンには、

    どんどん水素が貯めこまれていきます。

     

      02き裂発生する図

     

     

     

     

     

     

     

    その後脱圧すると水素は外部に出ようとします。
    その時内部に気泡が発生し、き裂になることがあります。

    き裂が進展するとゴムパッキンの破壊に至ります。
    これがブリスタ破壊現象です。

     

     

    Exif_JPEG_PICTURE 04ブリスタ拡大図 

     

     

     

     

     

     

     

    写真は試験用の配合で水素曝露したEPDMのOリングです。
    拡大写真の表面が内側から裂けている様子がわかるかと思います。

     

     

    05ブリスタ断面図

     

     

     

     

     

      

     

     

    写真は別の試験片の断面です。
    内部のみ裂けている部分があるのがわかるかと思います。

     

    このように外見ではブリスタ破壊が起きているかどうか判別できないときがあります。
    よって、Oリングは外見だけでなく断面の観察も行い、

    ブリスタ破壊が起きていないか確認をします。

     

    ○はみ出し破壊

     

    06はみ出し前図

     

     

      

      

      

    高圧水素ガスに曝されたOリングには、どんどん水素が貯めこまれていきます。

      

      

     07はみ出し破壊図

     

      

       

      

     

     

     

      

    その後Oリングは水素により膨潤していきます。

    体積は膨張し溝からはみ出すことになります。

    はみ出たOリングはいずれ破壊に至ります。
    これがはみ出し破壊現象です。

     

     

     Exif_JPEG_PICTURE 09はみ出し破壊拡大図

     

     

     

         

     

     

     

    写真は試験用の配合で水素曝露したEPDMのOリングです。
    拡大写真のOリングのパーティングラインの上あたりが
    ひげのようにはみ出ているのがわかると思います。

     

    私たちが実施している試験は90MPaで行うことが多く
    圧力の加減圧による負荷も加味されて複合的に破壊されることが
    一般的です。

     

    高圧水素でゴムパッキンを使用する場合、
    これらの破壊を極力抑えることが課題となります。

     

    次回はこの課題へのアプローチの話をします。

     

    Ref: 村上敬宜,松岡三郎,近藤良之,西村伸,

    「水素脆化メカニズムと水素聞き強度設計の考え方」第14章,養賢堂(東京),(2012)

    カテゴリー:その他
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