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高石工業株式会社 伸縮自在ブログ その他 高石工業の設備紹介 その2 ねじり振動式平板ダイ加硫試験機について
2009年8月31日

高石工業の設備紹介 その2 ねじり振動式平板ダイ加硫試験機について

キーワード:キュラストメーター,加硫試験機,加硫曲線

技術部の松井です。
前回に引き続き技術部で使用している設備についての紹介です。

1. ねじり振動式平板ダイ加硫試験機は何をする機械?

ねじり振動式平板ダイ加硫試験機キュラストメーターと呼ぶ)はプレス加硫の進行の様子をモニターする目的で開発された一種の動的粘弾性試験機です。一定温度、一定圧力下において、ゴム試験片に破壊しない程度の定振幅の正弦波振動を与え、試験片を介して受ける力(トルク)または応力を未加硫から過加硫に至るまで測定し配合ゴムの加硫特性を測定する試験機です。

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2. キュラストメーターを使うと何がわかるの?

 上下2個のダイスにはさまれた空間に未加硫試料を満たし、下ダイスを動かして試料にねじり振動を与え、上ダイスに伝わるトルクを記録して加硫曲線を得ます。
未加硫状態から加硫終了までの全過程を連続曲線に表わします。
この曲線からスコーチタイム、加硫速度、適正加硫時間の目安や練り生地の未加硫状態での粘度、加硫後のモジュラスなどの情報が入手できます。

 

 

 3. どのようにして使っているの?IMG_1063.JPG

量産で配合したゴムを練ったとき、混練ゴムの全ロットに薬品違いや秤り間違い・分散不良などの不具合はでていないのか?
初めて配合・混練りしたゴムの加硫温度、加硫時間はどうするのか?というときにキュラストメーターは使用します。
欠陥のある混練ゴムが成形工程に流通した場合、加硫工程が終了し、製品として製品検査においてそのすべてが不良品処理となり、それぞれに要した全費用が無駄となります。(ロットアウト)

欠陥未加硫ゴムを未然に防止するため、加硫試験機が開発されるまではムーニー粘度計で未加硫ゴムを測定、加硫処理をし、引張試験機にて使用可否を判定していたため時間を要していたそうです。今では混練りした全ロットを加硫試験機で管理する方法が一般化しています。

 

4. こんなことがありました..01.JPG.

当社では加硫時間をタイマーでセットしています。量産は同じ材料で何度も試験していますので数分で合否が確定します。初めての配合ではどのぐらいで加硫するのかわからないので、余裕をもってタイマーセットをします。

未加硫ゴムをキュラストメーターにかけ、加硫曲線を確認。
曲線を描いてきたな~と思いその場を離れ別の作業へ。
試験後のダイスが開くとき『バチーン!!』とものすごい音がしました。
何事かと思いその場へ行くと加硫があまく、ダイスにはベットリとした未加硫ゴムがねばねばとくっついていました。時間が短かったのか薬品が少なかったのか…。
その後のダイスの掃除が大変です。
同時期(約ひと月ほど)ねばねばが流行っていたのか、他の技術部員たちもダイスにゴムをベットリつけていました。

材料開発をしているときは、配合設計のときから加硫曲線を思い浮かべて混練りを行い加硫試験をしていますが、『テストロール→キュラストメーター→テストロール→キュラストメーター…』と行き来することがしばしばです。思い描いていたとおりの加硫曲線や成形しやすそうな曲線ができた時はうれしくなります。成形する前に加硫する状態を目で見られ、おおよその成形条件も決めることができるので大変役に立っています。

以上、ねじり振動式平板ダイ加硫試験機の紹介でした。

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